先輩の家具屋さんから連絡があり、
ビジネスホテルオーナーが事業を続けてゆくのが大変になってきたから、
”ホテル経営を引き継いでくれる方いないかな？と相談されました。
私は興味のありそうな知人に聞いて見ますよと、その時はあたりさわりの無い言葉で返しただけだでした。

実を言うと、この話を聞く前からホテル経営には興味があった。
旅は好き、宿も好きだけど、この突然すぎるタイミングには即答できなかった。
数日過ぎると、ホテルをやるなら？と考えるようになっていた。
現ホテルの歴史を引き継ぎ良い形で伸ばしてゆく、地域の方々にも受け入れていただきたい、
かつ旅行者にとっても良い宿でないと、考え出すと際限がないがその時間が楽しくなってきた。
その時、ホテル経営に自分の気持ちがオンになっていっているのを客観的に確信した。
確信したなら早く動こう、こんな気持ちになった自分を止められないのは自分自身がよく分かっている。

「ホテルをやる」という事を決めた。何からやれば良いかはこれから考える。
先ずは手伝ってくれそうな仲間に声を掛けたところ何人かは合流してくれる嬉しい返事をもらった。
当然だが自分も含め集まった仲間全員がホテル業未経験。
決めた以上、自分と仲間の勘と感性だけを信じるしかない。でもカッコ良く言ったは良いが正に手探りの連続が始まった。

一緒にスタートしてくれたスタッフはもちろん、建築、Webデザイン、照明作家、家具職人など友人知人が手伝ってくれたおかげでなんとかオープンまで漕ぎ着ける事ができた。
本当に右も左も分からない所から、仲間達の力でホテルパシフィック金沢を開業することができただけで、もうこの上なく嬉しかったのを覚えている。
このみんなの大切な気持ちと引き継いだホテルの思いを僕たちがしっかりと繋いで行こうと改めて決心した。

見知らぬ街に希望と共に訪れる旅人達。
人の暖かさを感じる宿で旅心を潤してほしい、
私たちの宿は旅の途中の心地よい場所でありたいと思っています。

マーク株式会社　代表取締役　米林 正克